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松岡正剛の千夜千冊・1592夜
モーリス・クライン『不確実性の数学』
URL> https://1000ya.isis.ne.jp/1592.html〜
不完全性定理については1058夜に詳しく説明しておいたので屋上に屋を架すことはしないけれど、ここに数学は、プロウアーが「直観的に確かなことは数学では証明できない」と言ったことに対して、「直観的に確かなことは数学的証明を越えていることが証明できる」というゲーデルの宣言にまで到達してしまったのだった。
ワイルはびっくりして「数学は疑いもなく無矛盾なのだから神は存在する、しかしわれわれにはその無矛盾が証明できないのだから悪魔も存在する」と書いた。
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それゆえ多くの経済主義者たちもエコノミストも企業家も、不確実性に面と向かっているわけでなく、いまもってあいかわらず統計処理による「およその予想」に向かっているだけなのだ。
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