スキップしてメイン コンテンツに移動

松岡正剛の千夜千冊・577夜

松岡正剛の千夜千冊・577夜
ジェラルド・プリンス
『物語論辞典』
 物語の本質は広い意味での「紛糾」(complication)である。その解きほぐしと解決(resolution)である。そのため大半の物語構造は多くの階層や部分や要素でできあがっているのだが、それだけでは物語は機能しない。
 そこで、そうした物語素(classeme)を相互につなげるための連結(linking)、連接(conjoining)、埋め込み(embedding)、交替(alternation)、協和(consonance)、混合(interweaving)、合成(compound)、入れ子(nesting)などの“関係付け”が必要になる。また、それぞれのプロットの並べ方を縫い合わせる手法が要求される。たとえば省略法(ellopsis)、不等時法(anisochrony)、錯時法(anachrony)、後成法(analepsis)、あるいはフラッシュバックやフラッシュフォワード、また会話、モノローグ、間接話法、自由間接話法、無媒介話法などの話法による“関係付け”である。