松岡正剛の千夜千冊・1634夜
小関智弘
『春は鉄までが匂った』
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「刃先を殺して刃先を生かす」とはいかにも日本の職人ならではの、まるで柳生の活人剣のような話であった。
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やがて放電加工機や治具ボーラーがそんな技能を必要としなくさせた。それらは高精度な仕上げを機械ですいすい自動処理してくれる。それはそれでいいのだが、そうなると、そこに「標準化」が確立して、どんな工場もその標準にもとづいて仕事をしなければならなくなる。
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もう20年以上続いているテストらしいが、一人も合格できない年もあったという。まさに標準化に負けない職人力を試したテストだった。
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