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松岡正剛の千夜千冊・1639夜

松岡正剛の千夜千冊・1639夜
戸井田道三の本
『こころ・かたち・みぶり・まなざし』
 戸井田道三が書くものは、ちょっと合気道や酔拳じみていて、風を孕む草木のように柔らかく、そのくせ相手をへこませる決め技をもっている。けれども、決して気負いを見せない。そこがこの人の特徴だった。
 こんな調子の文章を、いったい戸井田とはどういう見者(ヴォワイアン)なのかと思いつつ、ずうっと読ませてもらってきた。
 その後、戸井田の書いたものの大半が今福龍太(1085夜)によってまとめられて、「戸井田道三の本」全4冊という結構になった。鮮やかな編集構成で、1「こころ」、2「かたち」、3「みぶり」、4「まなざし」と名付けられた。