2021/02 Macrobiotic Magazine「むすび」No.737
今月のことば◎『オーガニックのさらなる拡大に向けて』岩間建亜
特集◎ 映画でひろげよう『弁当の日』
ドキュメンタリー映画「弁当の日『めんどうくさい』は幸せへの近道」試写会ほか
■滋味旬菜 2021
「心身の健康は日々の簡素で豊かな食卓から」
・座禅豆
… 大豆の程よい固さが美味しさに …
・きんぴら卯の花ごはん
… 我が家のきんぴらでお気軽にお作り下さい …
・生麩と山芋の蒸し物
… 具材は工夫し、冬ならではの美味しさを! …
・みかんの葛餅
… 果汁を絞った後のみかんはお風呂にどうぞ …
■しんちゃんのよろず相談所・第62回 山村慎一郎
『病気・自然療法講座1 冷え症』
~
お腹か手足先の末端か 冷えには2種類ある
・リンゴ型肥満(お腹に脂肪が多くほとんどが内臓脂肪)
・洋梨型肥満(下半身に脂肪が多くほとんどが皮下脂肪)
~
甘い物は体に水を溜めやすい
現代は本当に「気疲れ」する時代です。みんなが電池切れを起こしてます。気を作る「水穀=ごはん」をしっかり食べていないからですね。
そして現代人は体に水を溜める「甘い物・お酒・味が濃いもの」が多すぎるのて「浮腫み」「気が重い」「手足が重い」「元気がない」状態になってます。
不足している気を補う食材、それを体中に巡らす食材、滞りを散らす食材を組み立てましょう。
…
~
血液の巡りを改善し余分な水を出す食材を
冷えると手先が真っ白になる方がいます。末端の冷えには、血液の巡りを改善し、お腹を温める食材を使っていきます。漢方で当帰(とうき=血流をよくして手足を温める)、桂枝(けいし)、生姜、木通(もくつう=利尿)などが使われます。
…
~
排便や貧血に効果的な食べもの
排便も余分な水分の水はけを良くしてくれますので、しっかり排便するよう心がけましょう。次のような食材が排便を良くしてくれます。
カブ、セリ、セロリ、フキ、ヨモギ、えのき、シメジ、ゴボウ、タケノコ、アーモンド、クルミ、胡麻、松の実、キクラゲ、キャベツ、白菜、梅、リンゴ(皮付き)、小豆。
貧血の方も体冷えます。貧血が進むと、冷えだけではなく髪が抜けやすくなったり、爪がもろく鳴ったり、肌がカサカサに乾燥したりします。このようなときは前述した「当帰」がとても良いのです。ですから温める食材のほかに「造血」の食材を使いましょう。
極端な貧血症がある場合は動物性食品に即効性があります。(鯉コク、ウニ、卵、豚肉など。桜沢如一著『新食養療法』をご参照下さい)。ブリ、餅米、黒米、山芋なども体を温めます。
貧血を改善する食材は以下です。
ヒジキ、餅米、黒米、蓮根、チンゲンサイ、イカ、タコ、ウニ、赤貝、カキ(牡蠣)、アサリ、穴子、カツオ、ブリ、マグロ、アイガモ、豚肉、鶏肉、鶏卵、ウナギ、鮭、サバ、ニシン、鯛、スッポン。
~
不妊症や生理痛も冷えから 一日一回はご飯を食べましょう
…
パンやパスタに過度に頼らず、一日一回はご飯を食べ味噌汁を飲み、油脂を分解する野菜を選んで食べましょう。不妊の改善は数ヶ月から1〜2年かかりますが、生理痛・不順などは短期間で改善します。
また冷えると痛みを増しますので、体をしっかり温めましょうま。体を温め、利尿・排便によって余分なものは出し、酸味、苦味、辛味で油脂を消すのがコツです。
…
~
睡眠の質と時間も貧血対策に重要
~
貧血を良くして肌に張りを 鮭のあら汁などおすすめ
…
ここで注意点があります。ご飯の糖質、つまり炭水化物と甘い物(砂糖)、果物(果糖)、お酒とは違うことを知っておきましょうね。
貧血があると肌が乾燥気味になります。いつまでも若く張りのある皮膚を保つには、まず貧血を改善しましょう。
貧血を改善する食材は以下です。
・黒米…肺を補い、視力を維持回復し、貧血を改善します。
・ひよこ豆…便秘を改善して腸の働きをアップします。
・豆乳…体内を潤して貧血を改善します。玉ねぎや人参、ジャガイモなどを加えて火を通して食べましょう。
・シメジ…補血という働きがあり、貧血を改善します。便秘や高血圧にも良い。
・ぜんまい…腎臓を補い、血を作り、便秘によく、老化防止や浮腫みを改善します。
・ほうれん草…余分な熱を取り、便通や貧血を改善します。少し冷やすのでかつお節などと一緒に。
・蓮根…蓮根は咳止め、痰切りとしてお馴染みですね。実は血を補う働きもあります。つまり冷えや畑の乾燥にも良いのです。加熱すれば胃の働きを良くする働きもあります。
・かき(牡蠣) …貧血に良いだけではなく、ビタミンBが多く含まれ、精神安定の働きがある。
・ひじき…シコリを和らげて髪に艶を与え、貧血を改善する。血栓や動脈硬化予防に良い。
…
~
■マクロビオティックONEテーマ vol.62 岡部賢二
「宇宙生理学入門(11) 受け入れたものは消える宇宙の法則」
~
敵視し軍備を持てば戦争を引き寄せる
~
ガンは生命の恩人
~
野口晴哉の説いた「風邪の効用」を参考に
~
自分を受け入れると愛される人間に
~
■REPORT 「マクロは限定的なのではなく、各地の食文化と融合できるもの」
ミラノのマクロビオティック協会「ラ・サナ・ゴーラ」
~
欧州の重要な新拠点
~
久司氏らと交流を深めて
~
食事療法は政府公認
このように世界中のマクロビオティック指導者・実践者と交流してきた自身の経験から、「マクロビオティックは(制限が多く)限定的だと思われがちだが、決してそうではなく、世界各国のキッチンで、その土地の食文化と融合できるもの」だと確信しており、それを世界の人々と共有したいという思いが全事業の根底にあります。
…
また驚いたことに、イタリアはヨーロッパで唯一、食事による体質改善が代替医療として公的に認められており、ラ・サナ・ゴーラはその人材育成校として認可を受けていることから、3年終了時には法律で認められたホリスティック・セラピストとしてカウンセリングが可能となる免許が取得できるのだそうです。
~
■REPORT 基本から学ぶ陰陽理論
~
マクロの三つの理論とは
~
原点の易学を再構築
~
陰陽を形にも応用し判断
~
世界に通用する思想へ
~