スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(戦記)が付いた投稿を表示しています

松岡正剛の千夜千冊・960夜

松岡正剛の千夜千冊・960夜 大岡昇平 『野火』 URL> https://1000ya.isis.ne.jp/0960.html 〜  ぼくはしばし考えて、それなら大岡昇平か埴谷雄高だろうと言った。スーザンが難問に立ち向かうことが好きなラディカル・ウィルの持ち主だということを前提にしたリコメンデーションだった( 第695夜 参照)。 〜  野上弥生子 ( 934夜 ) ・武田泰淳 ( 71夜 ) に続く人肉嗜食の問題を文芸が扱った重大もさることながら、その人肉嗜食を思いとどまったことにヒューマニズムを見るのではなく、人肉に食らいつけなかった田村の思想と限界を、本人の大岡自身が最後の1行にいたるまで執拗に問うているのが、こたえた。ギャーッだった。 〜  『野火』から戦争とは何かとか、戦争の悲惨というような問題を抜き出すのは、くだらない。  仮に、そのような文学的期待や社会的問題の提起が多少は可能だとしても、大岡が『野火』の限界を突破するために書いた『レイテ戦記』によって、われわれはその期待と問題意識をぶちこわされる。 〜  けれども、『レイテ戦記』では、このような一つずつの解釈不可能な事実が、大量に、かつ同時に、そして究極の姿をもって出現する。大岡はそれをだけを、昭和42年(1967)という成長と飽食に酔う時代のなかで、ひたすら書き切りたかったようだった。  これは、文学作品なのだろうか。時代の証言なのだろうか。おそらくそのいずれでもない彫琢なのだ。言葉が戦争を覆いきれるかという切羽詰まった闘いなのであ 〜

松岡正剛の千夜千冊・202夜

松岡正剛の千夜千冊・202夜 エルネスト・チェ・ゲバラ 『ゲバラ日記』 URL> https://1000ya.isis.ne.jp/0202.html 〜  1968年はいろいろな意味で世界が騒然としていた ( 366夜 )。新たなターニングポイントにあたっていたことはあきらかだった。パリのカルチェラタンは火が噴いていたし、泥沼化していたベトナム戦争ではついにニクソンが北爆を停止せざるをえなくなっていた。キング牧師は暗殺されて黒人運動は怒りの絶頂に達していたし、その逆にソンミでは大虐殺がおこなわれていた 〜  しかし、実際にはゲバラは前年の1967年の10月9日に殺されていた。  政府軍による逮捕後の銃殺だった。まだ40歳になったばかりである。そして、その遺体がボリビア南部バジェグランデで“発掘”され、キューバに送り返されたのは、それからなんと30年もたった後の1997年の10月17日のことだった。 〜  ゲバラはある日、手帳に何かを綴ったあと、こう言ったらしい。「ゲリラの闘争はわれわれに人間最高のレベルに到達する機会を与えるだけでなく、真の人間になる機会も与えてくれる。このいずれにも達しえないと思う者は、そう申し出て、ここから即刻立ち去るべきだ」。 〜  いったいわれわれが80人のスタッフが10人にへってしまったとして、これでこそ目的が成就するなどと思うだろうか。そうは思うまい。しかしカストロとゲバラは、一握りの闘志こそが目的に適う起爆力をもっていると確信したのである。これがゲリラ戦略というものだった。 〜 ----------------------- 映像・キーワード「革命」> https://moviesindex1.blogspot.jp/search/label/革命