松岡正剛の千夜千冊・202夜
エルネスト・チェ・ゲバラ
『ゲバラ日記』
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1968年はいろいろな意味で世界が騒然としていた ( 366夜 )。新たなターニングポイントにあたっていたことはあきらかだった。パリのカルチェラタンは火が噴いていたし、泥沼化していたベトナム戦争ではついにニクソンが北爆を停止せざるをえなくなっていた。キング牧師は暗殺されて黒人運動は怒りの絶頂に達していたし、その逆にソンミでは大虐殺がおこなわれていた
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しかし、実際にはゲバラは前年の1967年の10月9日に殺されていた。
政府軍による逮捕後の銃殺だった。まだ40歳になったばかりである。そして、その遺体がボリビア南部バジェグランデで“発掘”され、キューバに送り返されたのは、それからなんと30年もたった後の1997年の10月17日のことだった。
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ゲバラはある日、手帳に何かを綴ったあと、こう言ったらしい。「ゲリラの闘争はわれわれに人間最高のレベルに到達する機会を与えるだけでなく、真の人間になる機会も与えてくれる。このいずれにも達しえないと思う者は、そう申し出て、ここから即刻立ち去るべきだ」。
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いったいわれわれが80人のスタッフが10人にへってしまったとして、これでこそ目的が成就するなどと思うだろうか。そうは思うまい。しかしカストロとゲバラは、一握りの闘志こそが目的に適う起爆力をもっていると確信したのである。これがゲリラ戦略というものだった。
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