松岡正剛の千夜千冊・130夜
レフ・トロツキー
『裏切られた革命』
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トロツキーという名前とトロッキズムという言葉は同時に入ってきた ( 430夜 ) 。早稲田に入る前に早稲田に通っていたころ、誰かから聞いたのだとおもう。
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トロツキーは1935年に亡命先をフランスからノルウェーに移して、そこで本書を書いた。もとより執筆能力の旺盛なトロツキーだったので、あっというまに書き上げたかとおもう。原題は『ソ連とは何か、そしてどこへ行くのか』というものだった。それがフランス語版で『裏切られた革命』になったのを、トロツキーも承認したらしい。
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ともかくも最初はシベリア流刑と脱走が、次にはレーニンとの共闘と対立 ( 104夜 ) が、ついではトロツキーが組織した赤軍の闘いが、そして最後にはスターリンの「一国社会主義論」とトロツキーの「永続革命論」との決定的対立が、トロツキーをして20世紀史上最も過激な人生を送らせることになったのだった。
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