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Macrobiotic Magazine「むすび」No.699

2017/12 Macrobiotic Magazine「むすび」No.699


今月のことば◎ 『心に貯金をして帰す』岡崎好秀


特集◎現代に生きる身土不二の教え

○味噌は高血圧や脳卒中を抑える 広島大学名誉教授の渡邊さんらが研究

 特別なラット3群で比較実験

 血圧上昇が緩やかな味噌群

 脳の大出血は高食塩群飲み

 腎臓の食塩の害も味噌が抑制

 日本人に多い食塩非感受性


○ほかにもこんなにある味噌パワー 渡邊さんらのお話や著書『味噌力』から紹介

 放射線防衛作用

 肺腺がん抑制

 胃がんは喫煙者でも死亡率が低くなる

 肝がん・早期前立腺がん・大腸がん

 熟成の進んだものが効果的「味噌汁は医者殺し」

 

 

○「日本人の弱点をおぎなう和食の知恵」奥田昌子医師

【ここがスゴイ!日本人の体質】

 ①動脈硬化になりにくい

 ②腸内環境がきれい

 ③主食に合った胃腸をもつ

 ④骨が強い


【ここが残念!日本人の弱点】

 ①男性はお腹に脂肪がつきやすい

 ②アルコールに弱い

 ③牛乳をうまく消化できない


【日本人の弱点をおぎなう和食の知恵とは】

 ①肉や脂肪を摂りすぎない

 ②内臓脂肪の「悪い物質」の作用を打ち消す食材

  …

  ・玄米は、糠の部分に含まれるガンマオリザノールという物質に、脂肪細胞から分泌される良い物質増やしてくれるはたらきがあります。

  ・日本人は海藻をたくさん食べると短鎖脂肪酸がたくさんできて、内臓脂肪を減らすので、内臓脂肪がつきやすいという弱点を補うことができます。

  …


■滋味旬菜 2017/12  

「中華マクロで簡単おせち」

・辣白菜 (白菜ピクルス)

 — ぴりりとアクセントのあるピクルスです —

・紅焼油豆腐 (絹こし揚げ・中華風味)

 — とっても簡単なのに満足な一品です — 

・時菜永腐 (自家製凍豆腐、煮込み)

 — おせちだけではなく、普段のお料理でもお召し上がりください — 

・腐乳百合根 (百合根、腐乳和え)

 — 中華風味の百合根を味わってください — 

・五香黒豆 (黒豆五香風味)

 — 蕪に切り込みを入れる際、切り落としてしまわない様割り箸などを置いて切ると良い —

・茘枝オウ球 (蓮根ボール、甘酢あん) 

 — 肉団子以上に美味しいかも — 


■しんちゃんのよろず相談所・第24回 山村慎一郎

『ガンから学ぶこと』

病気による気づき 何のために生まれてきたか

導き出した答えは「全て受け入れる」ということ

「腹八分目に医者いらず」

病気によって噛む大切さを知る

ガンの転移・再発を抑制するANPという物質

肺と大腸は表裏の関係 便通を良くし、改善につとめる

体を冷やすものを減らしていく

動物性食材は少し控えて



■マクロビオティックONEテーマ vol.24 岡部賢二

「小豆かぼちゃの効用」

昔から体験的に知られていた小豆の薬効

腎臓と形の似た小豆 腎機能を高める働きも

 …

 小豆にはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、かんきつ類や緑茶にも含まれていますが、カリウムを多く含むため、摂り過ぎすると体が冷えます。一方、小豆のビタミンCはでんぷんでガードされたビタミンC(プロビタミンC)なので、熱や酸化に強く、体を温め、胃酸によって100%ビタミンCに合成される優れものです。腎臓はビタミンCで活発に働きますが、冷えに弱い臓器なので、小豆やレンコン、大根、海藻、三年番茶等の身体を冷やさないビタミンCがおすすめです。

かぼちゃとの相乗効果で細胞の修復、血液の浄化

 …

 例えば、かぼちゃにはカロチンが多く含まれ、血管内に付着し、動脈硬化を引き起こす悪玉のコレステロールを洗い流してくれます。加えて、小豆に含まれるサポニンやレシチンにも体内に滞った油脂を洗い流す洗浄力があるので、小豆とかぼちゃは最高の血管の掃除屋さんと言って良いでしょう。また、かぼちゃに多く含まれる亜鉛には、タンパク質を合成し、傷んだ細胞の再生や修復をする働きがあり、かぼちゃの黄色はポリフェノール(抗酸化色素)で血管や細胞のサビ取りをして、若々しい状態に保ってくれます。

婦人科系のトラブルに小豆かぼちゃ


■陰陽のメガネで解く四字熟語まんだら  波多野毅

「小国寡民」(しょうこくかみん)

「テレビ教」という名の洗脳装置

放浪の詩人ナナオ・サカキの詩と共に欧州無銭旅行

食料自給率125%、エネルギー自給率158%を超える「永続地帯」

天下の大企業トヨタの雑誌に掲載された文章

  子供の頃、私は「小国」という名前が嫌いだった。高度成長期、小国町に生まれ育った私は、その名前「小さい国」というのを貧相に感じていたのだ。しかし、哲人・老子は自然と人為の調和した理想郷のモデルを「小国寡民」と呼ぶ。「国は小さく、民は寡(少)なくあるべし」と。地域内循環、自然に負荷をかけない生活こそ、理想郷の原点と見抜いていたのだ。老子の言う「小国寡民」は理想社会の描写であるとともに未来社会の予言なのかもしれない。


 …。オーナーの宮下周平氏は広い見識と深い洞察を持った碩学の士。彼は言う。「拡大の論理に惑わされず、環境に負荷をかけず、エネルギーを抑え、狭い地域で生きる喜びを分かち合いたい。生産・流通・消費が完結する自給自足、地産地消の最小モデルを実践し、老子が説いた平和の原理『小国寡民』の思想に従った生き方を皆と共有していきたい」


■圭楽堂のカルテ(72) 西下圭一

『丁寧に食べる』

「よく切れる包丁できちんと切るとα波で出て心が落ち着く」

 …

 高価な包丁である必要はなく、ときどきは自分が使いやすいように研いでおくことが良さそうです。

 心を尽くす、手を尽くすというのは、時間のあるなしとはまったく別の問題であると感じます。ほんの短時間でも集中して心を込められた料理は「ごちそう」と呼ぶのにふさわしい気がします。

 禅の言葉に「喫茶喫飯(きっさきっぱん)」とあります。お茶を飲むときはそのことだけに集中して、お茶と一つになる。ご飯をいただくときは食事をすることだけに集中して、食事と一つになる、ということです。